こんにちは、ひまれいかです。
今回オススメする本は、「デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論―潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋」です。
学校で熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、有給休暇もほとんど消化せずに、一生懸命働いているのに先進国最下位の生産性って悔しくないですか?
この本の表表紙裏にはこのように、筆者は書いています。
「どうして?日本はこんなに生産性が低い国なのか」について様々なデータが載っているので気になる方は是非、一読してほしい一冊です。
筆者は外国人でありながらも日本を溺愛しています、その人が客観的に日本を見たときの異常さを様々なデータと経済的観点から指摘しております。
といっても、具体的な改善策はあまり書いてないのが玉に瑕だと思いましたね。
日本の生産性は世界で何位か知ってますか?
あなたは、日本の生産性が世界でどれくらいの位置にあるかご存知ですか?
日本の順位は20位にあります。
(著書には購買力調整後(2015)27位となっております。p38参照)
「ランキングの中間ぐらいだからいいじゃん」と思ってる方もいらっしゃるかもしれませんが、主要先進7ヶ国の中でダントツで最下位です。
ちなみに、労働生産性の計算式は以下のとおりです。
労働生産性=付加価値額(生産量)÷労働投入量(労働者数×労働時間)
で、算出されております。
日本の生産性低すぎ!
どうしてこんなに、生産性が低いのかについて、この本で書かれていることをまとめます。
・経営者が無能すぎる
・IT活用が遅れている
・研究開発費が少ない
・女性を同一視しない
・移民政策をしても、今じゃ意味がない
要するに、経営者が投資に全く力を入れていないし・非効率であるというところが強くあげられています。
大手になるほど、大掛かりな設備投資に消極的の傾向があり、下からこの設備じゃダメだと言っても上がなかなか承諾してくれないというのが実状です。
そして、著書には「責任の曖昧化」・「計画性のなさ」・「検証しない文化」・「融通が利かない」・「縦割り行政」・「年功序列」・「何事よりも現状維持を優先する」と言った、経営者に対する非難がいっぱいなされております。
また、女性の賃金格差についても述べてあり、昔の女性の労働は付加価値が少ない労働が多く、低賃金で当たり前という認識が未だ強く残っております。
今の働き方改革なども含めて、男性のみならず女性も社会に進出する男女共同参画社会になってきました。
現在の労働者のうち43%が女性であるので、低付加価値の仕事をさせるだけでなく男性と同じように高付加価値な仕事をさせることで、労働生産性は上がると筆者は考えております。
また、労働力の補填のために外国から移民を受け入れるという政策が進んでおりますが、筆者はこれについてかなり否定的に考えています。
というのも、「労働力を増やしても生産性が上がらなければ日本全体のGDPは大して変わらない。 移民でごまかしても根本解決にならない、焼け石に水である。」からです。
高度成長してる国は総じて移民を受け入れつつ、高い生産性を保っているからこそ成長し続けている傾向があります。
まとめ
日本のGDPの高さは、「人口増加」に伴う副産物であるという考えについては概ね賛同ですね。
しかし、これからは後期高齢化社会となり日本の人口は減っていくことは必至なので、このままどんどん経済成長しなくなっていくでしょう。
先進国として胡座をかいていた時代はもう終わりです、「日本人の生産性をどれだけ上げるか?」が今後の問題のひとつとなることを教えてくれた一冊です。
取り敢えず、「生産性をどうにかしろ!」を反芻している本なので、内容になれるとスラスラ読める一冊なの・。・